保険治療と自費治療の本当の違い。

みなさん歯医者さんで虫歯の治療などをおこなったときに自費治療の説明を受けたことがあると思います。そもそもなぜ保険治療と自費治療とに別れているのかについて解説していきます。

まず、保険治療についてご説明します!

保険治療とは、国が保険が適用できる治療として認めている治療です。これは、一般的な治療方法で一般的なもしくは最低限の材料を使用しておこなう治療という解釈になるかと思います。つまり、様々な治療がある中で最低限の治療というイメージです。もちろん保険治療がだめな治療ということではありません。ただ、実はもっと良い治療があるということです。その良い治療まですべて国が保険で賄っていては医療費の増大となってしまい、国の財政を圧迫してしまうことになります。そのため、最低限以上の治療に関しては患者さん自身で負担していただくということです。もちろん少しずつ良い治療も保険適用になってきてはいますが、まだまだ難しい状態です。

次に、自費治療についてご説明します!

自費治療とは、国が保険での治療を認めていないものです。ただ、これは治療自体に問題があるということではありません。費用負担をしないという意味です。つまり、保険治療よりももっと質の高い治療が自費治療では可能です。使っている材料に関しては、保険診療のものよりももっと良い材料を使うことができます。そのため、何年後、何十年後の結果に大きく違いが出てきます。例えば、前歯に虫歯ができて被せ物をすることになった場合は、白い被せ物を作りますが、保険治療の場合、パラジウム合金の金属にプラスチックを貼り付けた被せ物となります。プラスチックの色は透過性がなく歯の色とは程遠いものです。そのため、明らかに被せ物が入っているとわかる状態となり、審美性は悪くなります。また、プラスチックは時間とともに変色してしまうため、年月が経つとさらに色が悪くなってきてしまいます。また、パラジウム合金で作製するため、金属による精度の低下により隙間から虫歯ができるリスクもあります。しかし、自費治療であれば金を多く含む金属で精度の高い被せ物を作ることができます。また、セラミックなどのより天然の歯に近い色合いの材料を使って被せ物を作ることができます。これにより長い間審美性の高い歯を入れることができます。また、精度も高いため、虫歯にもなりにくいです。

このように保険治療と自費治療には治療結果に差が出てきます。

もちろん私達歯医者側からいうとできるだけ良い治療を行って患者さんに快適な食事を長く楽しんでもらいたいと思っていますので自費治療をオススメします。ただ、金銭的な面でむずかしい場合は、保険診療で対応します。

セラミックなどの治療が保険治療でできるようになればより日本の方々の歯はきれいなものになると思います。ただ、それは国の財政的にも難しいと言わざるを得ません。そのため、どうしても今の段階では保険治療を受ける方が多い状態です。欧米のようにすべて自費治療であればもちろんよりきれいな被せ物を選択し、虫歯にならないようにしかり管理していくことでしょう。ただ、今の日本の現状ではそれはまだ難しいかもしれません。もっともっと歯に関して興味をもち、知識を身につけてもらうことによって自費治療に対しての意識が変わってくるかと思います。

歯は臓器の一部です。心臓や脳などと同じく大切な部分です。もし心臓や脳などの臓器に病気ができて手術することになった場合、妥協した治療を選択するでしょうか?きっと最も良い治療を希望し、選択するでしょう。それと同様で歯もとても大切な部分です。食事が快適にできないと体の健康は保てません。そのため、ぜひ歯にはより良い治療を行うことをオススメいたします。もし何か疑問なことがあればぜひかかりつけの歯医者さんに質問してみてください。みなさまに本当に合った治療を紹介してもらえると思います。それでは、今回はこのへんで失礼いたします。